司法書士には登記での依頼を受けた際に、本人確認、更にご本人の意思の確認をする義務があります。
本人確認とは、例えば ご依頼頂く佐藤様が本当に佐藤様なのかという確認となります。

意思確認とは、「佐藤様がこの手続きをする意志があるか、時には手続きを依頼される判断能力があるかどうか」という確認です。

本人確認については、一般の金融機関などでも厳しくなったため、免許証などで確認させていただくことに皆さん大変協力的です。しかし、問題は意思確認です! その中でも、高齢になられた場合での認知症や精神障害などで「意志能力」に問題があるケースがとても難しいのです。

ご家族の名前もわからず会話もほとんどできない場合は、「これは無理だな。成年後見制度のご利用をオススメしないと。」となるのですが。問題なのは微妙な時です。

ご自身の名前も書けるし、会話もできる。けれど、軽い認知症だと聞いているし、登記についても理解しているように思えるけれども何となく不安。そんな時は、かかりつけの医師に「診断書」を書いてもらいます。

司法書士は登記の専門家ではありますが、精神や認知症に関する専門家ではありません。その為、その専門である医師に、「登記手続きを理解し、委任する能力があるか。」を診断し、書面にしてもらうのです。 
これは後々になって、他の親族から「あの時 佐藤様は既にそんな能力はなかった。」と言われ、争い、訴訟がおきることの抑止効果となり得ます。

そこで、佐藤様のご子息に「かかりつけの先生に診断書を書いてもらって下さい」とお願いするのですが。ここのところ、大学病院に紹介される事例が多くなっています。

それでも、お医者さんからの診断書には、医学的な数値が記載されているのみで、その数値が 相続での不動産登記について判断し得るか、不明な場合もあり、 その際には 申し訳ないのですが 再度「認知症についての診断の依頼書」をお渡し、医師の診断を仰いで頂くことにしています。

医師でさえ、認知症での判断書作成は躊躇される実態も見えますが、

だからこそ、診断書が必要なのです。よろしくお願い申し上げます。