修繕積立金が心配になる!

マンションに住む人にとって重たい費用の一つが修繕積立金。

近年は物件の老朽化や計画の狂いにより資金が不足し、住人が追加の出費を迫られることもあります。修繕積立金を巡る問題点を考えてみましょう。
 国土交通省の調査によると、2013年度の修繕積立金の平均額は1戸当たり月1万1800円です(グラフ)。平均額はここ10年くらい、大きくは変わっていませんが、実態を探ると、様々な変化や問題がみられます。

 例えば住戸間の負担割合です。かつては積立金の負担額は全住戸で一律、同じ金額というマンションが大半でした。すべての住戸で面積がほぼ同じだったため、特段の問題はありませんでした。

■面積に応じて負担額に差

 しかし近年、住戸ごとに広さが異なる物件が目立つようになりました。このため、「面積に応じて負担額に差をつける例が増えた」と、マンション関連の法律に詳しい篠原みち子弁護士は話します。
 同弁護士によると、修繕積立金は「区分所有者それぞれの共有持ち分(所有権割合)に応じて、負担割合を決めるのが原則」です。区分所有法が定めています。
 新築時に決めた修繕積立金の額を、後になって変更する例も見られます。修繕費用が当初の見込み額よりかさむことがあるからです。老朽マンションは全国的に多く、値上げが必要になるケースは今後増えていきそうです。
 積立金額の変更は通常、マンションの全体のうち過半が賛成すれば可能です。「普通決議」という手続きです。月々の積立額を変えずに一時金として臨時に徴収する方法もあり、これも原則、普通決議で済みます。
 マンション管理規約に積立金の金額まで記載してある場合は、規約自体を変更する必要があります。この場合は「特別決議」によって4分の3以上の賛成を要します。
 判断が難しいのは規約に「積立金額は別表に記載の金額」などとある場合です。篠原弁護士は「規約変更に当たるのか不明ならマンション管理士など専門家に早めに相談するのが無難」と話します。
 修繕積立金を値上げすれば、新築当時から住み続けている人たちだけでなく、後から中古で買った人にも影響が及びます。最近入居したばかりの人も値上げを免除されないのが普通です。購入前に積立金の状況や値上げの可能性はよく調べる必要があります。
 「マンションの駐車場の使用状況についても確認が欠かせない」と、さくら事務所(東京・渋谷)の土屋輝之コンサルタントは話します。
 駐車場の使用料収入はかつては一部が修繕積立金に加えられ、大切な原資となっていました。しかし近年、クルマ離れにより駐車場を借りる住人が減り、空きを抱えるマンションが増えています。

■駐車場自体の修理費が賄えなくなる例も

 使用料収入が細り、駐車場自体の修理費さえ賄えなくなるケースも出ています。特に都心部に多い機械式の駐車場は多額の費用がかかります。収入が足りなければ、その穴埋めに修繕積立金を使う羽目になりかねません。
 かつてマンション全体の修繕を支えていた駐車場が、かえって金食い虫になりかねないのです。土屋さんは「車に乗らない人ほど見落としがちだが、必ずチェックしたい」と話しています。