2015年5月空家対策特措法が施行

近隣に悪影響を及ぼす「特定空家」への対処が進み、所有者に代わって取り壊すなどの代執行の事例も出てきた。また、市場に流通させることは難しいが、所有者の理解の下、交流スペースなど地域のニーズに合致したかたちで空き家を活用する例も増えてきた。

 最近新たに出てきた空き家対策で注目されるのは、近隣の力を積極的に活用しようというものである。市場では価値を持たないような空き家の処分に困った場合、昔から、まずは隣の人に取得意向があるかどうかを聞いてみるのが有効といわれてきた。

●近隣への撤去費用の補助

 北海道室蘭市では今年度から、特定空家を近隣住民や自治会が撤去する場合に、費用を補助する仕組みを設けた(費用の9割、上限150万円)。現在、多くの自治体が、空き家撤去の費用補助の仕組みを設けているが、その場合、補助を受けるのは所有者である。室蘭市では、近隣住民などが撤去を求めた場合、空き家を管理しきれない所有者から土地・建物を近隣住民などに無償で取得させ、撤去費用を補助する。跡地は住民が活用できるが、10年間は宅地や営利目的に使えず、広場などとして使うという条件付きである。

 室蘭市ではかつての鉄鋼産業が衰退し、空き家増加が著しい地域であるが、近隣への支援によって、空き家撤去を進める施策を取り入れた。補助は所有者本人に行うのが筋であるが、近隣住民に取得意向があるのであれば、その後の管理も含め、近隣の人に任せたほうが合理的とも考えられる。この施策で数件の撤去が進められる見込みという。