マンション業界 民泊新法が成立!

民泊新法が成立した。早ければ2018年の1月から施行されるという。詳しい運用は市町村が規制できるとしているが、一部の観光都市以外ではさほど厳しい枠をはめないと思う。

この民泊新法がマンション市場にどのような影響を与えるか、考えてみたい。

まず、新築マンション市場にはほとんど関係はないはずだ。理由は、管理規約で民泊を禁止している場合、事実上不可能。規約に違反して民泊を行うと、旅館業法違反で摘発を受ける可能性がある。

また、ここ2年ほどの間に管理規約を改正して民泊禁止を盛り込んだマンションも同様。民泊が一時期ほど騒がれていないのは、多くのマンションでこの規約改正が行われて、それが功を奏している結果だと推定できる。

問題は、規約改正を行おうとしても、それができていないマンションだ。管理規約の改正には「全区分所有者の4分の3以上」が賛成しなければならない。このハードルは結構高い。

管理組合の活動が活発でないマンションや、築20年、30年も経過した物件では、年1回開かれる総会で出席と委任状などを合わせても、全体の4分の3以上の議決権が行使されていないケースがかなりある。

ましてや、そのマンションに住んでいない区分所有者は所有住戸を民泊で活用しようと考えるかもしれない。つまりは4分の3以上の議決権が行使されても、反対票が出てきて可決されないことも考えられる。

そういったマンションでは、民泊が合法となってしまう。もはや「旅館業法違反であるから民泊を止めなさい」とは主張できないのだ。

さらに中古マンションを民泊目的で購入する投資家も現れるはずだ。そうなれば、4分の3の決議はますます遠のいてしまう。なかには民泊に出されている住戸が半分以上などというホテル化したマンションも出てくるだろう。

別の見方をすると、今まで賃貸運用しかなかったマンション投資に、民泊という新たな選択肢が生まれる。これは中古マンション市場に新規の需要が生じることでもある。当然、価格上昇圧力となるだろう。

しかし、民泊が合法化されれば多くの空き家がこれに活用されるはずだ。今までは基本違法と知りながら民泊を行うある意味、“勇気ある”事業者だけの市場が、一気に一般に開放される。大量の民泊物件が出てきて価格競争になることも想定できる。一時期の京都市内は、1泊2000円程度まで利用価格が下落し、ビジネスとして損益分岐点を割っていたが、こんな現象も起きかねない。

民泊新法では「年間180泊以内」という規制がある。これがどの程度厳格に運用されるのかも、投資対象としての中古マンションの価値に影響する。運用法は、これから徐々に決まっていく。